「底力に優れている馬は、馬体的にどんな特徴があるのか?その理由は?」 馬見屋にとっては永遠の謎と言える命題ですが、今日は一つのアンサーを示してみたいと思います。
1番人気のスカーレットを皆が目標にする展開ならば、放っておいてもラスト1000mが速くなる中山2500のこと、終いの掛かる底力戦になるのは想像に難くない。ラストまでバテずに脚を使える馬を狙いたいところです。 競走馬が走ることにおいて、最も大きな役割を果たしているのが「トモ(後肢)」の筋肉。500キロの肉体を時速60キロまで加速させるのも、そのGを受けるのも、坂で踏ん張るのも大部分が後肢の仕事。走る馬とそうでない馬を見分けるとき、まずトモを見るのが有効だとする考え方の根拠はそれです。 馬の筋肉の中でもかなり大きな部類に入るトモの筋肉ですが、役割が多いだけに真っ先に疲労が溜まるのもここ。「底力」の正体の一つは、いかにトモをバテさせないフォームで走れるか?ということになります。 ここで、現役トップクラスの底力を持つと評価する人も多いメイショウサムソンの好調時の馬体写真を見てみましょう。 07春天 http://www.keibado.ne.jp/keibabook/070430/photo09.html
まず目に付くのは、太いんじゃないの?と思うくらいポッテリとしたお腹回り。実はこれ、腹筋なんです。恐らくサムソンは普段から腹筋をよく使うフォームで走っており、調教による鍛錬を通じて他に類を見ないほどの発達した腹筋を手に入れたのでしょう。 サムソンは決してトモが大きな馬ではありませんが、腹筋をよく使う走り方をしていることによってトモの負担が減り、結果的に「底力」に優れる馬になったのだと思います。
面白いのは、不調時のサムソンの写真を見ると、好調時ほどの腹筋のボリュームが感じられないんですよね。 08大阪杯 http://www.keibado.ne.jp/keibabook/080407/photo07.html そして、残念ながら今回も… 08有馬記念 http://www.keibado.ne.jp/keibabook/itw/photo10.html
ここまでの話をまとめると ・真っ先に疲労が溜まるのはトモの筋肉 ・腹筋を使う割合が多い馬はトモの負担が小さく、バテにくい ⇒今回のような消耗戦に向く ・サムソンは典型的な腹筋型で、今回は厳しい ということですね。
今回予想される消耗戦に強い腹筋型・メイショウサムソンはダメでしたが、サムソンの代わりに僕が強くプッシュしたいのがカワカミプリンセス! http://www.keibado.ne.jp/keibabook/itw/photo04.html 見てください、このGⅠ馬らしからぬメリハリの無い馬体。トモも前駆も大して発達しているようには見えませんよね。その代わり、牝馬としてはかなり確りとした腹筋を持っています。これが07宝塚記念で一番厳しい競馬をしながらもウオッカに0.8先着したカワカミの底力の源泉。 スカーレットだって昨年の有馬は完璧にバテていたし、秋天では厳しい展開だったとはいえウオッカにも負けた。スカーレットがカワカミよりも底力のある馬だという根拠なんてどこにも無いさ!
◎カワカミプリンセス
netkeiba.comより
マツリダゴッホの評価下げについては↓の記事&コメント欄をご覧下さい。 ゴッホに異変アリ? http://keibaresearch.blog.shinobi.jp/Entry/597/ PR
リーチザクラウン 重めが残っていた初戦のパドックでも、馬体のバランスが良すぎて520キロもあるようには見えなかった馬。バランスが良い、とは変な偏りが無い…すなわち欠点が無いということ。大きなフットワークでもブレやタルさが無いし、首使いも良い。美点だらけで困っちゃうくらいです。 唯一にして最大の弱点が行きたがる気性で、これをユタカさんがどう料理するのかがこのレース最大のポイント。周知の通り、ユタカは2歳馬には抑えるレースを教える傾向が非常に強い騎手。新馬や未勝利は逃げて勝ち上がった馬でも、上の条件では期待馬であればあるほど逃げるレースはしません。データ的にも、2歳・芝2000以上・500万以上の条件で過去15年間1度も逃げた事が無いという徹底振り。多分今回も2,3番手か、もしくはゆっくりスタートを切らせての差す競馬でしょう。 負けパターンとしては、たっぷり緩んでの3ハロン競馬が一番濃厚なところ。位置取りが後ろであればあるほど、その確率は上がります。 おまけ。ユタカさんの右腕がまだ痛む状態なら、引っ掛かるリーチを抑えきれずにハナってパターンがあるかも。15年間で初の「逃げ」は果たしてあるんでしょうか?
マッハヴェロシティ たっぷり緩んでの3ハロン競馬でリーチザクラウンを負かすとすれば、恐らくこの馬。好発でハナならアンカツ特有のスローペースがありますからね。メイショウボーラーの甥らしくマンハッタンカフェ産駒にしてはパワーがあるし、今の阪神もこなせそう。とにかくスローで嵌る事が条件。
ロジユニヴァース 腰高のオオトビでフットワークがタルく、スローの上がり競馬は合いそうにないが、スタミナ比べでリーチを負かす可能性なら一番高い。札幌2歳Sのラストも余裕があったし、平均的な阪神2000の流れになれば上位は堅いかと。
ファミリズム 牝馬にしては珍しいパワータイプの中距離馬。フットワークの見栄え・バランスの悪さは走る馬のそれでは無いしテンに行けないのもそのせいでしょうけど、終いの伸びは確りしてるんですよね。その点だけなら本格化前のハーツクライ似かも?テンの速い中緩み競馬になった前走は相当展開に恵まれたし、それで人気になるのなら嫌いたい。
ロードロックスター フットワークが大きくて折り合いが付くというだけで初戦は2000を使ったんでしょうけど、脚も胴も短めでこのメンバーに入ると適性で見劣るし、完成度でもどうかと思いますが…最低でもスローが条件。
イグゼキュティヴ トモが弱いフォームで阪神の坂には一抹の不安があるものの、札幌2歳を早め先頭で2着に粘った体力はここでも上位。スローペースは×。
トゥリオンファーレ オレハマッテルゼの半弟。POG本でみたときはトモが弱そうに見えたんですが、今はどうなんでしょ。前走の差しきりにしても坂を上り切るまではモタモタしていたようだし、本質的には坂は苦手かもしれませんね。首を使ったキレイなフォームで走りますが少し非力な印象も受けます。
シルシを打つとすれば、 ◎リーチザクラウン
つ…つまんねぇ~ 多分ケンですけど、最終的なシルシは直前に挙げます。
イコテンヨク…虎に翼を添えるともう、かなう者はいない。(四字熟語データバンク)
逃げ馬にとって絶好の枠を引いたという評判のミッキーパンプキン。しかし、ダンスインザダーク産駒らしい大柄・オオトビ走法の同馬よりは、スピード自慢が揃う1200重賞でも抜けたダッシュ力を見せるツルマルジャパンのが断然速い。松岡がムリヤリ抑えない限り、ミッキーパンプキンがハナを切ることは恐らくないでしょう。馬群を捌く器用さも求めにくいし、この人気を考えると手が出ません。 ブレイクランアウト。切れは認めますけど、中山マイルは溜めて切れる脚を競うコースではないですよね。他馬を気にする面があるそうですし、大外をぶん回す乗り方をするんでしょう。高速決着でもそれで間に合うほど強い、という根拠はちょっと見えません。 セイウンワンダー。下の記事でも書きましたが、とにかく右回りのコーナーリングが怪しいしスタートも良くない方。出遅れたのは前走だけというのは間違いで、初戦のスタートもかなり遅かった。寝肩だけに本来は溜めるレースをしたいだろうし、オオトビで不器用。 毎年終わってから思うものですが、やっぱり中山マイルは好位抜け出しがいつものパターン。それが出来る脚質・枠順の馬を狙うのが常識的なんじゃないでしょうか?
◎エイシンタイガー
netkeiba.comより
本命はエイシンタイガー。典型的なソラ使いで、いつもフワフワとやる気の無い走り。祐一・勝浦・哲三で勝ち切れず、スパルタンな豪腕で馬を走らせる技術に長けるウチパクで勝ち上がっているのが象徴的でしょう。好時計で勝った前走にしろ全力を出していないし、能力の底は見せてません。JRAの映像を見る限り歩様の硬さも見られず、連闘は問題なさそうです。 加えて枠順。一番ダッシュが速いツルマルジャパンの外隣で、他馬に被されずに思ったとおりの位置を取ることが可能。土曜の中山でもウチパクの前目に拘る意識が見えましたし、正攻法の体力比べなら今までの様なもどかしい競馬にはならないはず。
3秒で決めました! ◎レッツゴーキリシマ
ここんとこの世界経済の動きは凄いですね…毎朝新聞を開くたびに新たな出来事が起こってますから、情報を追っかけるだけで一苦労 ま~アメリカがあんな状態になってるのは自業自得ってやつですけど、アメリカ経済が破綻したら他の国も大損害を受けるようになったのがグローバル化ですからねぇ。そのグローバル化を推し進めたのもアメリカか… こんな世の中イヤ( ̄▽ ̄;)
怖がりなため多頭数の内枠で馬群を捌けるかが微妙なニシノマナムスメ、ハイペースを押し切るというタイプでもないレインダンスが人気なんでしょうか。 この2頭よりかは勝ち切れるイメージがあるマイネレーツェルが妥当な狙いだと思うんですけど、なんだかなぁ…ちょっと荒れるかもしれませんね。
◎マイネレーツェル
netkeiba.comより
僕には忘れられない不的中があります。三連単700万馬券が飛び出した2008年桜花賞。1番人気トールポピー、2番人気リトルアマポーラ、3番人気オディール、4番人気ブラックエンブレム。有力5指に数えられていた中で馬券に絡んだのはソーマジックのみで、他は圏外に飛んでいった。 今振り返ると、これは本当におかしな人気構成ですよね。パドックでチャカついてレース前に終わっていたオディールは別にして、後にオークス、秋華賞、エリザベス女王杯を制するような中距離タイプ…言ってみれば「非マイラー」が、マイルGⅠで上位人気を占めていたわけですから。 …僕の言いたいこと、分かりますよね?
1番人気ブエナビスタ。華奢に見えるほど薄身の筋肉、短い背中、長い四肢。半兄アドマイヤオーラにそっくりの馬体で、適性的にも恐らく似ているはず。詰まる話、マイラーには見えません。 兄弟に京都記念勝ち馬、菊花賞2着馬。父がスペシャルウィーク。斬れに斬れる末脚。これでマイルGⅠを勝つほどのスピード持続力を備えていたら、怪物としか言いようがないですよ。前走では抜け出してから耳を立ててソラを使ったりと底を見せていない不気味さはありますが、馬体、フォームのどこを見てもディープインパクト級には見えず。人気を考えると押さえまででしょう。 2番人気ジェルミナル。中距離タイプの馬体で骨格が大きく、スマートというより成長途上で非力。ウオッカ、スーパーホーネット、ブルーメンブラッド、スズカフェニックス、レジネッタ…1流マイラーは栗東の坂路で52秒台くらいは出せるもの。ウッドでは動けるのに坂路では55秒台が精一杯というのは、自分の身体を動かせるだけの体力がまだ付き切っていないということ。極限のスピード勝負だと最後に甘さが出てくるかもしれません。
さぁ、上位人気2頭の評価を押さえまで下げられました。どっちも来なければ好配当は間違い無し…やる気が湧いてきますね(。-∀-) 本命は3番人気ダノンベルベール。アグネスタキオン産駒らしい均整のとれた骨格、しなやかな背中を活かした豪快なフットワークから生まれる破壊力はここでも上位だし、中山マイルで終始外を回り、ラスト1ハロンが12.2で収まったレースでも僅差の2着に来れたのは底力もある証拠。ここのメンツでは数少ないマイラーらしいマイラーです。 もともと美浦の坂路で51秒台をコンスタントに出してましたけど、今回は重の栗東坂路で52.1という破格のタイム。追い切り後の馬体重が前走比-6キロですから、相当馬体を作りこんできたということでしょう。キストゥヘヴン以来となる関東馬女王の誕生に期待します!
◎ダノンベルベール
netkeiba.comより
カペラSはシルシだけ⇒◎ナンヨーヒルトップ〇ダイワエンパイア▲カルナバリート△チョウカイシャトル△ビクトリーテツニー
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