菊花賞
オルフェーブル・ドリームジャーニー兄弟と同じ、ステイゴールド×メジロマックイーンの黄金配合で産まれたゴールドシップ。タフな展開となった皐月賞・神戸新聞杯をロングスパートで制し、高速馬場でのスピード決着となったダービーでも最後までジリジリ迫る脚を見せて0.2差5着。 スタミナと末の持続力は、誰が見てもこの世代でダントツ。芦毛のオオトビ走法からは名ステイヤーだった母父メジロマックイーンの面影も感じられるし、鞍上はオウケンブルースリで菊花賞を制した内田博幸。枠もここ数年で何度も穴を出している最内1番。勝利の条件は整った。 ・・・本当にそうでしょうか? 淀の長丁場は、過去に何度も波乱が起きた舞台。’12天皇賞春のビートブラック、’10菊花賞ビッグウィーク、’09エリザベス女王杯クィーンスプマンテ、’09日経新春杯テイエムプリキュア、’04菊花賞デルタブルース、’04天皇賞春イングランディーレ・・・。 敗れた人気馬は、オルフェーブル、ブエナビスタ、ローズキングダム、ハーツクライ。どれも差し・追い込み脚質の馬でした。 京都外回りは「3角の下り」が有名ですが、それとセットで存在しているのが「向正面の二段階連続の登り」です。 第一段階の「100mで2m」の登りがあるのは、ゴールまで残り1200m地点。この中山にも匹敵する急な登りはただでさえ負担が掛かりますし、ましてあと6ハロンもあるのでは仕掛けることはできません。 第二段階の「250mで2m」の登りに差しかかるのが、残り1100地点。ここで動くのも早い。東京で言えば3角手前の地点ですが、そこが下りになっている東京でさえレースが動くのを滅多に見られません。 となるとやはり、仕掛けるのは残り800地点の3角下りになります。しかし時すでに遅し、先行勢がセーフティリードを奪っていて、結局追い込みきれなかった・・・というのが上で列挙した波乱のレース。 「ウチパクがオウケンブルースリみたいに乗ればなんとかなる」という雰囲気があるようですが、あれは前半5F58.6と飛ばして、中盤5F66.7と極端なペース配分にした先行勢の影響で、直線入り口で団子状態となった特殊な例。スローの縦長の展開になれば、下り坂まで仕掛けにくい京都外回りでああいうことは起こりません。 テンにズブいゴールドシップのポジションは、恐らく中団後方寄り。そうなると好枠と見られている1番枠も、かえって馬群に包まれて動きにくくなるだけ・・・ということもあり得ます。 ディープブリランテが回避し、前を捕まえに動いてくれる「強い先行馬」が居なくなった事も、ゴールドシップにとってはマズイ状況。前を喰い残す可能性は充分あり得る・・・というのが自分の結論です。 ◎タガノビッグバン ○ゴールドシップ ▲ユウキソルジャー △ビービージャパン 本命はタガノビッグバン。スラッと長く伸び、後肢の管が長めの四肢と、角度の寝た細く柔軟な繋は、母父リアルシャダイの影響が強く感じられます。フォームを見ても非常に柔軟で、大きくゆったりとしたストライド。長距離適性の高さは18頭の中で1,2を争うでしょう。 前走の兵庫特別では残り7ハロンから12.1 - 11.8 - 12.0 - 12.0 - 11.4 - 11.4 - 12.6というロングスパートを決め、2着に0.5差を付ける圧勝。スローの縦長の展開になれば、粘りこめる脚はあります。 単穴にユウキソルジャー。前走の神戸新聞杯は、道中で12.5以上のラップが2度しか刻まれない、非常にタフな流れ。先行馬で唯一残ったスタミナは特筆モノですし、折り合いもラクに付く馬。京都2400で上がり33.8で勝った履歴があるのも強調できます。 ただ一つ気掛かりなのが、少し小柄な馬体。父がダンスインザダークの全弟トーセンダンスなだけあって、前駆に体重移動をしながら走る効率の良いフォームはダンス産駒そっくりで、確かに長距離適性は感じます。しかし歴代の菊花賞で好走したダンスインザダーク産駒と比べると、ハコがやや小さい印象。馬体重的にも490キロほどある産駒が好走する傾向があるだけに、前走436キロのユウキソルジャーはかなり小さめです(448キロで出走のファストタテヤマはハコ自体は大きい)。馬体が大きければ自信の本命でしたが、それでも底力を買って3番手評価。 あと恐いのがビービージャパン。前走は2・3着馬がそれぞれ次走1着・2着と好走するような強い相手で、ペースも平均くらいの逃げだったのですが、涼しい顔で終い4ハロン11.9 - 11.7 - 11.3 - 11.5と早いラップで上がったのがやはり強い内容。少し力んで走るようなところがありますが、すんなりハナを切ってリラックスして走ることが出来れば、スイスイ逃げ切っても全く驚けません。 馬券は◎の単複、△単勝、ワイド4頭BOX。 他の馬ではエタンダール・ロードアクレイムは少し迷いましたが、どちらも行きたがる面がありますし、ロードの場合はフォームもやや硬く、距離適性をあまり感じません。 フェデラルホールはハコがあまり大きくない点で距離微妙、あって3着という評価。スカイディグニティは頸が短く、その影響で完歩のテンポというかピッチが速い印象で、長距離でゆったり走れるかどうか。脚質的にも1着は考え辛く。 一番迷ったのはベールドインパクト。ただハミを噛むときがありますし、馬券のテーマが「前が残る」というものなので見送り。 (14:45追記) マウントシャスタを忘れてました。実力は高いのですが、繋が起ち気味な点、やや行きたがる面があるのに先行宣言している点(川田騎手も折り合いが上手い、というタイプでもなく)で評価を下げました。 PR
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三連単以外は全て使いますが、一番好きな馬券は“人気薄の単勝”です。
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